今週末(2019年9月15日)はいよいよ、
マラソングランドチャンピオンシップが行われます!!
今回の記事では、そのMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)について取り上げたいと思います!!
マラソングランドチャンピオンシップ(通称:MGC)とは?
マラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship、略称:MGC)は、2019年9月15日に開催される予定のマラソン大会である。メインスポンサーは東京マラソン同様東京メトロ。本大会は第103回日本陸上競技選手権大会の男女マラソンを兼ねている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%82%BD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97
2017年8月23日、日本陸上競技連盟より2020年東京オリンピック・男女マラソン日本代表選考会として2019年9月以降の開催が発表された。
マラソンコースは2020年東京オリンピックで使用するものと同じだが、スタート・フィニッシュ地点は新国立競技場が開催時点では未完成のため、明治神宮外苑周辺に設定する。また五輪のテストイベントとしても実施される予定。但し、ほぼ同時期の2019年9月下旬にカタール・ドーハで開催される、世界陸上競技選手権大会の男女各マラソン代表選出・出場選手は本大会に出走できない。
マラソンのオリンピック代表選考はいつも揉める!?
マラソンのオリンピック代表選手の選考(特に、女子!?)は、
いつも揉める傾向にあります。
最も有名なのは、1992年のバルセロナ五輪代表を巡る選考会。
この時は、世界陸上を2時間31分8秒で4位だった有森裕子か、
大阪国際女子で2時間27分2秒のタイムで2位だった松野明美か、
どちらを選ぶのかという議論が起きました。
松野が会見を開き「私を選んでください」と言ったシーンは有名ですね。
しかし、この時の陸連の理事会は有森選手を選び、
結果、有森が銀メダルを獲得しました。
また、次のオリンピック、アトランタ五輪の代表選考も、
世界陸上と東京を勝っていた浅利純子はすんなり決まったものの、
残り2枠を巡って、
北海道を2時間29分17秒で優勝したバルセロナ五輪銀メダリストの有森か、
大阪国際女子で2時間26分27秒のタイムで2位に入った鈴木博美か、
名古屋を2時間27分32で優勝した真木和かの3人でもめた。
この時は、「タイムよりも勝負に競り勝った選手優先」という陸連の方針により、
最もタイムが良かった鈴木が落選している。
また、前回のリオ・オリンピックでも、代表選考は揉めました。
大阪国際女子で五輪派遣設定記録(2時間22分30秒)を上回る2時間22分17秒で優勝した福士加代子が、
代表確定をもらえないため名古屋ウィメンズにエントリーしたことで、
陸連の五輪代表選考方法に対しての批判が出ました。
また、逆に男子では、一発選考レースを行ったことで、揉めたこともあります。
1988年のソウル五輪代表の3人を選ぶ際、
陸連は強化指定選手の福岡への出場を義務化し、
事実上、1987年12月の福岡国際が一発選考レースとなりました。
この時は、ロス五輪代表の瀬古利彦、
各レースで圧倒的な強さを見せていた中山竹通、
さらには宗兄弟や、谷口浩美など、世界で通用するサブテンランナーが目白押しだっため、
一発選考でないと決めきれなかったというのが背景にあったようです。
しかし、ここで事件が起きます。
大本命の一人だった瀬古が、骨折でこの一発選考レースを欠場。
結局レースは中山が独走V。2位には新宅が入り、この2人は代表内定。
しかし、2時間11分36秒で4位(日本人3位)に入った工藤一良には内定が出ず、
陸連はその年のボストンで優勝していた瀬古に『救済措置』を与え、
出場予定だったびわ湖の結果を待つという判断をします。
瀬古はそのびわ湖で、工藤よりタイムは悪い2時間12分41秒。しかし、優勝。
結局、経験と実績を買われ3人目の代表に選ばれたのは瀬古選手でした。
このように、マラソンのオリンピック選考は、
選考対象レースが複数あったり、
陸連としても、オリンピックで勝てる選手を選びたいという思惑から、
一発勝負ではなかなか決めづらく、
また、一発選考で決めるにしても、
瀬古選手の時のような救済措置を取らざるを得ない為、
過去に何度も揉めてきたという経緯があります。
そこで、複数大会による選考と、
一発選考のいいとこ取りをしたような形の今回の選考会、
東京オリンピックの代表選考会である
『マラソングランドチャンピオンシップ(通称:MGC)』
につながるわけです。
複数の選考対象レースで多くの選手に門戸を開放し、
その中から、最終選考レースへの出場選手を選出。
そして、最終選考レースであるMGCでの一発選考。
しかも、最終選考レースは、
オリンピックが開催される夏場と同じような気候条件である9月に、
オリンピックのマラソンコースとほぼ同一のコースで行われる。
これなら、多くの選手に門戸を広げつつ、
最終選考に向けた調整力なども試すことができるし、
かなり、いい選考方法であるのではないかと、
個人的には思います。
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)出場者
男子
No | 名前 | 所属 | 自己ベスト | 出場権を獲得した大会と記録 |
1 | 村澤明伸 | 日清食品グループ | 2:09:47 | 北海道マラソン2017 1位(2:14:48) |
2 | 大迫傑 | Nike | 2:05:50 | 第71回福岡国際マラソン 日本人1位(2:07:19) |
3 | 上門大祐 | 大塚製薬 | 2:09:27 | 第71回福岡国際マラソン 日本人2位(2:09:27) |
4 | 竹ノ内佳樹 | NTT西日本 | 2:10:01 | 第71回福岡国際マラソン 日本人3位(2:10:01) |
5 | 園田隼 | 黒崎播磨 | 2:09:34 | 第67回別府大分毎日マラソン 日本人1位(2:09:34) |
6 | 設楽悠太 | Honda | 2:06:11 | 東京マラソン2018 日本人1位(2:06:11) |
7 | 井上大仁 | MHPS | 2:06:54 | 東京マラソン2018 日本人2位(2:06:54) |
8 | 木滑良 | MHPS | 2:08:08 | 東京マラソン2018 日本人3位(2:08:08) |
9 | 宮脇千博 | トヨタ自動車 | 2:08:45 | 東京マラソン2018 日本人4位(2:08:45) |
10 | 山本憲二 | マツダ | 2:08:42 | 東京マラソン2018 日本人5位(2:08:48) |
11 | 佐藤悠基 | 日清食品グループ | 2:08:58 | 東京マラソン2018 日本人6位(2:08:58) |
12 | 中村匠吾 | 富士通 | 2:08:16 | 第73回びわ湖毎日マラソン 日本人1位(2:10:51) |
13 | 岡本直己 | 中国電力 | 2:11:29 | 北海道マラソン2018 1位(2:11:29) |
14 | 谷川智浩 | コニカミノルタ | 2:11:39 | 北海道マラソン2018 日本人2位(2:12:02) |
15 | 大塚祥平 | 九電工 | 2:10:12 | 北海道マラソン2018 日本人3位(2:12:07) |
16 | 中本健太郎 | 安川電機 | 2:08:35 | 北海道マラソン2018 日本人4位(2:12:54) |
17 | 藤本拓 | トヨタ自動車 | 2:07:57 | シカゴマラソン2018 8位(2:07:57) ※ワイルドカード(1.i.) |
18 | 服部勇馬 | トヨタ自動車 | 2:07:27 | 第72回福岡国際マラソン 1位(2:07:27) |
19 | 福田穣 | 西鉄 | 2:09:52 | 第72回福岡国際マラソン 日本人5位(2:10:54) ※ 東京 2020 オリンピックマラソン日本代表選手選考方針により |
20 | 橋本崚 | GMOアスリーツ | 2:09:29 | 第68回別府大分毎日マラソン 日本人2位(2:09:29) |
21 | 岩田勇治 | MHPS | 2:09:30 | 第68回別府大分毎日マラソン 日本人3位(2:09:30) |
22 | 堀尾謙介 | トヨタ自動車 | 2:10:21 | 東京マラソン2019 日本人1位(2:10:21) |
23 | 今井正人 | トヨタ自動車九州 | 2:07:39 | 東京マラソン2019 日本人2位(2:10:30) |
24 | 藤川拓也 | 中国電力 | 2:10:35 | 東京マラソン2019 日本人3位(2:10:35) |
25 | 神野大地 | セルソース | 2:10:18 | 東京マラソン2018 日本人12位(2:10:18) 東京マラソン2019 日本人4位(2:11:05) ※ワイルドカード |
26 | 山本浩之 | コニカミノルタ | 2:09:12 | 第74回びわ湖毎日マラソン 日本人3位(2:10:33) |
27 | 河合代二 | トーエネック | 2:10:50 | 第74回びわ湖毎日マラソン 日本人4位(2:10:50) ※ 東京 2020 オリンピックマラソン日本代表選手選考方針により |
28 | 髙久龍 | ヤクルト | 2:10:02 | ゴールドコーストマラソン2018 6位(2:11:45) ハンブルクマラソン2019 7位(2:10:02) ※ワイルドカード |
29 | 荻野皓平 | 富士通 | 2:09:36 | 東京マラソン2018 12位(2:09:36) ハンブルクマラソン2019 9位(2:10:15) ※ワイルドカード |
30 | 一色恭志 | GMOアスリーツ | 2:09:43 | 東京マラソン2018 13位(2:09:43) ハンブルクマラソン2019 11位(2:11:23) ※ワイルドカード(1.ii.) |
31 | 鈴木健吾 | 富士通 | 2:10:21 | 東京マラソン2018 19位(2:10:21) ハンブルクマラソン2019 13位(2:11:36) ※ワイルドカード |
男子は31名出場。
女子
No | 名前 | 所属 | 自己ベスト | 出場権を獲得した大会と記録 |
1 | 前田穂南 | 天満屋 | 2:23:48 | 北海道マラソン2017 1位(2:28:48) |
2 | 松田瑞生 | ダイハツ | 2:22:23 | 第37回大阪国際女子マラソン 1位(2:22:44) |
3 | 安藤友香 | ワコール | 2:21:36 | 第37回大阪国際女子マラソン 3位(2:27:37) |
4 | 関根花観 | 日本郵政グループ | 2:23:07 | 名古屋ウィメンズマラソン2018 日本人1位(2:23:07) |
5 | 岩出玲亜 | アンダーアーマー | 2:23:52 | 名古屋ウィメンズマラソン2018 日本人2位(2:26:28) |
6 | 野上恵子 | 十八銀行 | 2:26:33 | 名古屋ウィメンズマラソン2018 日本人3位(2:26:33) |
7 | 鈴木亜由子 | 日本郵政グループ | 2:28:32 | 北海道マラソン2018 1位(2:28:32) |
8 | 小原怜 | 天満屋 | 2:23:20 | 名古屋ウィメンズマラソン2018 日本人5位(2:27:44) 第45回ベルリン・マラソン 10位(2:27:29) ※ワイルドカード |
9 | 福士加代子 | ワコール | 2:22:17 | 名古屋ウィメンズマラソン2019 日本人2位(2:24:09) |
10 | 上原美幸 | 第一生命グループ | 2:24:19 | 名古屋ウィメンズマラソン2019 日本人3位(2:24:19) |
11 | 前田彩里 | ダイハツ | 2:22:48 | 名古屋ウィメンズマラソン2019 日本人4位(2:25:25) |
12 | 一山麻緒 | ワコール | 2:24:33 | 東京マラソン2019 日本人1位(2:24:33) ロンドンマラソン2019 15位(2:27:27) ※ワイルドカード |
女子は12名が出場。
東京オリンピック出場決定条件
優勝すれば、無条件で東京オリンピック代表に内定。
2位、3位のうち「MGC派遣設定記録」を突破した最上位者が代表に内定。
<MGC派遣設定記録>
☆男子 2時間05分30秒
☆女子 2時間21分00秒
有効期間:2017年8月1日~2019年4月30日
対象競技会:国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会「MGC派遣設定記録」突破者がいない場合は、2位の選手が自動的に代表に内定。
※2019年4月30日時点で突破者がいなかったため、2位になれば代表内定。
放送スケジュール
<テレビ放映予定>
☆男子:TBSテレビ系列全国ネット 8:00~11:24
☆女子:NHK総合 8:00~11:54
個人的に頑張って欲しい選手
男子
- 大迫傑
マラソン日本記録保持者。優勝候補の大本命。 - 設楽悠太
マラソン前日本記録保持者。大迫選手を倒せるのは設楽選手しかいない!? - 神野大地
三代目・山の神。マラソンでは今までなかなか結果が出せていないが、
フリーとなり、この東京にかける思いが実を結ぶか?
個人的には、私の出身地でもある東海地方にゆかりのあるランナーとして応援しています。
女子
- 松田瑞生
初マラソン日本歴代3位の2時間22分44秒で大阪を制してMGC出場権を獲得。
パワフルなランニングフォームに注目!! - 安藤友香
2017年には名古屋を日本歴代4位となる2時間21分36秒の初マラソン日本最高記録。
「忍者走り」に注目!! - 岩出玲亜
10代から活躍し、U20の記録を多く持つ。
美人ランナーとしても注目。
男子の神野大地選手と同じく、東海地方出身ランナーなので、
個人的にも応援しています。
さいごに
日本で行われるオリンピックの、
一発選考レースということで、
出場権を獲得した一流のランナー達が、
この一戦にかけてくるため、
非常にハイレベルな戦いとなることが予想されます。
熱い時期のレースなので、タイムはともかく、
レース中盤から後半にかけての駆け引きなどは見どころいっぱいだと思います。
陸上好き、マラソン好き、ランニング好きにとっては、
見逃せない戦いになること必至ですね!!
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