高校野球は金属バットを廃止せよ!

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私は、以前の記事

甲子園に球数制限は必要か?
甲子園の球数制限の是非が問題になっています。 甲子園に球数制限は本当に必要か? 投球過多を防ぐための、球数制限よりも効果的でデメリットの少ない解決策を考えました。

で、高校野球の「球数制限」に変わる策として、「金属バットを廃止すべき」だと結論づけました。
今回の記事では、この「高校野球の金属バット廃止」について深く掘り下げていきたいと思います。

なぜ金属バットを使用するのか?

そもそもなぜ、高校野球では金属バットを使用するのでしょうか?
よく言われているのは以下の3点です。

『折れない』から部活動の経済的負担の軽減

これは確かにあるでしょう。確かに木製バットは折れますから。
芯を外せば一発で折れてしまうことも。

高校野球は教育の一環でもありますし、
活動をするのに、あまりにもお金がかかりすぎるのは良くないですよね。

他にも、ゴルフやテニスなどもお金のかかるスポーツではありますが、
ゴルフやテニスは個人スポーツですからね。
チームスポーツでお金がかかりすぎるのはあまり良くないことでしょう。

意図的に乱打戦を作り上げるため

個人的には、ここが一番問題だと思うのですが、一番の目的でもあるのかもしれません。
野球経験者からしたら、しびれるような投手戦は見ていて面白いものですが、
やはり、高校野球は、普段はあまり野球を見ないような方もたくさん見られる。
そんな方にとっては、投手戦よりも、ヒットやホームランがたくさん出る乱打戦の方が、
見ていて楽しい、面白いというのはあると思います。

金属バットの音

金属バットの『カキーン』という金属音は、
確かに聞いていて気持ち良いというか、爽快な感じはします。

また、高校野球の名物(というか、日本野球の名物)といえば、
ブラスバンド等の鳴り物の応援。
今年の春のセンバツでも習志野高校のブラスバンドの応援が『美爆音』として話題を集めるなど、
これが無ければ盛り上がりに欠けるという部分はありますよね。

そんな中で、金属バットの打球音が響くというのは、
高校野球をスポーツのエンターテインメント的な部分で考えたら必要なものなのかという気もします。

以上のような、金属バットが必要な理由がありつつも、
やはり、金属バットがもたらすデメリットの部分、
特に、高校球児にもたらす悪影響を考えた場合、廃止すべきだと考えます。

では、金属バットを廃止するとどのような事が起こるのか?

投手の投球過多を防ぐための最善策

私が、なぜ「高校野球は金属バットを廃止すべき」と考えるのかというと、
最近問題となっている、投手の投球過多問題。
この投球過多の原因となっているのが「金属バット」にあると考えているから。

自主的に球数制限を設けようとした新潟の高野連に対し、日本高野連が待ったをかけた。
この事が問題となっている訳ですが、個人的には、球数制限を行うよりも、
金属バットを廃止すれば、大きなデメリットもなく、投手の球数を減らせると考えています。

そもそも、いつから高校野球では金属バットを使用するようになったのでしょうか?
高校野球に金属バットが導入されたのは1974年、第56回大会のことです。

それを頭に入れながら下のページをご覧ください。

甲子園 個人記録 - 高校野球-info
全国の高校野球の総合情報を取り扱っています。全国の大会結果、野球場マップ、高校野球辞典、カレンダー形式の高校野球日程。

高校野球の記録がいろいろと記載されているページなのですが、
いかがでしょうか?何か気づくことはございませんか?
打者(野手)の記録は、ほとんどが金属バットが導入された1974年以降に記録されたものであるのに対し、
投手の記録はほとんどが1974年以前の記録であると言うこと。
最近の投手はそんなにレベルが低いのでしょうか?
昔の投手の方が、今の投手よりもレベルが高かったのでしょうか?
だとしても、こんなに極端に違いが出ますか?
やはり、1974年の金属バットの導入以前と以後で高校野球は、
投手有利・打者有利が逆転してしまったのではないでしょうか?

そもそも今の高校野球は、打者に有利すぎるのです。

野球というのは、打者が3割以上打てば一流。
4割なんて打とうものなら超一流、スーパースターです。
そこで、昨夏の第100回大会の出場校全56校の地方大会の打率を見てみると・・・。
チーム打率.458でトップの奈良大付属を筆頭に、チーム打率4割超えの高校が9校。
チーム打率が3割に満たない高校はわずか4校。
なんと、56校中52校がチーム打率3割以上です。
さらに、同じく昨夏の第100回大会の出場校全56校の長打率を見ると、
1位星陵高校の.752を筆頭に、41位の北照までが.500を超えています。

これを、プロ野球の昨シーズン(2018年)の成績と比べてみると・・・。
セ・リーグの打率トップはヤクルトの.266。長打率トップは広島の.431。
パ・リーグの打率トップは西武で.273。長打率トップも西武の.454です。

もちろん、トーナメント方式の短期決戦である高校野球と、
リーグ戦の長期決戦の違いはあるにせよ、こんなに極端な違いは出るでしょうか?
どう考えても打ち過ぎですよね?打者に有利過ぎます。

金属バットを廃止すれば、必ずホームランやヒットは出にくくなります。打率は落ちます。
そうなれば、投手の球数は減り、今、問題になっている『投球過多』は改善されます。

私立の強豪校と公立校の戦力不均衡の是正

正直、個人的には、私立校と公立校に戦力的不平等があっても仕方ないと思います。
教育機関とはいえ、特に私立高校などは、経営的な側面を考えれば、
『 高校野球の強豪校 』という看板は、入学希望者を増やすためには、大きなメリットであります。
その為に、有望な選手を推薦で集めたりといったやり方を否定するつもりもありません。
経営努力です。

ですが、やはり、どこのチームが勝つか分からないドキドキ感があった方が、
高校野球も盛り上がりますし、見ている方も面白いですよね?

個人的に、私立校と公立校の大きな違いは、体格にあると思っています。

金属バットは多少芯を外しても強く振り抜けば打球は飛ぶので、
とにかく強く振ったもの勝ちみたいなところがあります。
つまり、体格に勝る方が圧倒的に有利ということになります。

私立高校は、推薦で身体能力に勝る優秀な選手を集めるうえに、
豊富な資金力で、トレーニング設備なども充実しているため、
公立高校の選手と比べ、体格的に勝っている選手が多い場合が多いです。

そんな体格差がある中、金属バットで試合をすれば・・・。
想像つきますよね。

ところが、木製バットであれば、もちろん、体格が良いに越したことはありませんが、
より、技術的な要素が高くなってくるため、
体格的に劣る、公立高校の選手でも太刀打ちできる気がしませんか?

過度なトレーニングの予防

上記のように、金属バットはスイングスピードが上がれば有利になるので、
強豪校はもちろん公立高校などでも、
試合に勝つために、筋力トレーニングを取り入れます。
高校生の年代(16歳~18歳)といえば、まだ体ができあがる途中の段階で、
この時期に、あまり過度な筋力トレーニングをすると成長に影響を及ぼします。

高校野球の指導者が皆、トレーニングに対する正しい知識を持っていればよいのですが、
現状、そこまでの知識を持っている指導者というのはごく一部でしょう。
そんな中、球児はトレーニングを行い続けることで、
大事な成長期に無駄な筋肉を付け過ぎてしまったりするわけです。

しかし、木製バットなら、体力的要素より、技術的な要素が高くなるので、
勝つためには、筋力トレーニングより、技術練習に時間を割くこととなり、
成長期に必要の無い過度なトレーニングを予防することができるでしょう。

金属バットの打球速度の問題

金属バットの打球速度も問題のひとつでしょう。

一時期問題になった『 心臓震盪 』最近は、あまり聞かなくなりましたが、
これも、球児の体を脅かす大きな問題ですよね。

金属バットで打った打球の速度は、160~170km/hにも達します。
そんな打球を、まだ体のできていない高校球児が、
昔からよく言われる「体で止める」なんて事をしたら・・・
大きな事故が起こってもおかしくありません。

打者を育てる

最初に挙げた記事でも書いている内容ですが、
金属バットと木製バットでは打ち方が全然違います。
その為、高校野球では活躍しプロに入った選手が、
プロに入ってからは、木製バットの打ち方に対応できず、
たいした活躍もできないまま若くして引退していくなんてことも
決して珍しいことではありません。

高校球児の将来のことを考えるというのであれば、
早いうちから木製バットに慣れさせるという意味でも、
やはり、高校野球で金属バットを使用するというのはナンセンスなのではないでしょうか?

最後に

このように、金属バットを木製バットに変えることで解決する問題はたくさんあります。
そもそも、私がこの提言をするきっかけになった、
「高校球児の球数制限問題」も、金属バットを廃止すれば、
間違いなく解消されることでしょう。

その、投球過多の問題に関しても、当初は、
球数制限が既定路線であるかのような論調が強かったですが、
最近では、高校野球史上(1大会における)最多投球数を記録した、
ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手や、
「権藤、権藤、雨、権藤」でおなじみ(最近の若者は分からんわな汗てか、私の年代ですら、逸話としてしか知りませんが。)の権藤氏など、
実際に、投球過多により実害を被ったレジェンド達が球数制限に反対するなど、
新たな展開を見せ始めています。

球数制限に関しては、本当に難しい問題ですし、
球数制限を行うとしたら、いろいろな所に影響があるデリケートな問題でもあります。
いろいろな立場の人間が、それぞれの立場で意見を交換し、
多くの人達が納得のいく答えが出せるよう、
慎重に議論していって欲しいものですね。

コメント

  1. 55年前の高校球児 より:

    U-18 WBSCを見て感じるのは、日本の高校生だけが高反発の金属バットを使用しているおかげで、木製バットの芯にシャープに当てることができなくなっている。あきらかに世界の高校生より打力が低い。カナダ戦で奥川くんが投げているとき、山瀬くんがチャンスにレフトにフライを打ったが、もし木製バットになれた水平打法の選手なら、三塁手の頭を超えるライナーでレフト線に二塁打になっていたはず、今の高校生のバッティングは世界で通用しない。高校で活躍して、プロ入りしても、金属バットになれた高校球児の多くは、打撃で苦労する。プロで活躍できない。アメリカでは低反発の金属バットを使用していると聞く。日本も低反発の、つまり、木製バットと同じ特性の金属バットを使用すべきである。

    • kohllskohlls より:

      コメントありがとうございます‼️
      金属バットは、経済的負担以外はデメリットばかりであるのに、
      なぜ使い続けられるのかわかりません。
      木製バット、あるいは低反発の金属バットの使用を本気で考えていかないと、
      日本の野球はどんどんガラパゴス化していってしまいますね。